睡眠時無呼吸症候群に関するよくある質問 

Q1.初診時の費用と時間は?

   最も大切な合併症の評価を含め睡眠時無呼吸症候群を総合的に診療いたします。そのため、検査内容にもよりますが、大体5,000~10,000円弱になります。時間は1時間~1時間半くらいかかります(混雑の状況によって若干変わります)。最近受けた人間ドック、健康診断の結果を持ってきていただければ足りない必要な検査だけ行わせていただきます。

Q2. 初診時には、どんなことをする?

    診察前の検査として、問診、胸部X線、心電図を受けていただきます。続いて、診察・睡眠時無呼吸症候群の説明を行い、睡眠時無呼吸症候群の合併症の検査(血液・尿検査、エコー検査、鼻腔通気度検査、肺機能検査など)を行い、その結果で合併症の有無を確認し、さらに簡易検査を施行し、SASの存在を推察し、PSG検査が必要かどうかを判断します。

Q3. 合併症の検査内容は?

    (1) 血液検査で肝機能、コレステロール、腎機能、血糖、インスリン抵抗性、動脈硬化をチェックし、さらに動脈硬化の直接的な評価として(2) 超音波検査にて頚動脈や腎動脈の動脈硬化や狭窄・血栓の有無、心機能評価、(3) 脈波検査にて足の末梢血管の動脈硬化や血管年齢、加えて(4) FMDという血管内皮機能検査を行い、早期の動脈硬化の診断に役立てます。睡眠時無呼吸症候群診療を行う上で総合的な評価のための必要な検査を行います。

Q4. 夜間検査の必要性は?

    PSG検査は、夜6時半頃までに来院していただき、朝にはシャワーを浴びてから、会社に行くことができます。確定診断には、PSG検査が必要となります。ただし、自宅で行う簡易検査の結果ですぐに治療が必要な場合は、外来でCPAP治療をすぐに始めることもあります。簡易検査では確認できない睡眠の質や検知できない無呼吸・低呼吸を評価するため、もしくは適正なCPAP圧を確認する(タイトレーションと言います)ためにも、近い時期にPSG検査を受けていただいています。

Q5. 簡易検査の取り扱いが不安

    スタッフが丁寧にわかりやすくご説明いたしますのでご安心ください。簡易検査の注意点は、普段と同じ生活をしていただき、寝るときに機器を取り付けてください。毎日お酒をお飲みになる方はお酒を飲まれてもかまいません。ただ、酔いすぎて機器の取り付忘れにご注意ください。

Q6. 簡易検査で何がわかる?

    簡易検査は、スクリーニング検査です。鼻孔に付けるセンサーにていびきの振動と呼吸による気流の有無を、指につけるパルスオキシメータという小さなセンサーにて呼吸が止まっているときの血液中の酸素濃度を調べます。これによって、睡眠時無呼吸症候群の診断基準となる無呼吸低呼吸指数(AHI)を評価します。ただ、普段付けないものを付けて寝るので、体が緊張してAHIは少し低く出る傾向にあります。

Q7. PSG検査で何がわかる?

   PSG検査(ポリソムノグラフィ)は、睡眠時無呼吸症候群の確定診断のための検査です。脳波、眼筋電図、頤筋電図にて睡眠段階・覚醒反応などの睡眠状態、鼻孔の気流センサー、腹部・胸部バンドセンサーにて無呼吸の程度・中枢型か閉塞型かの判別などの呼吸状態を、その他マイクからいびき音、心電図、パルスオキシメータで無呼吸時の低酸素血症の程度、体位センサーで体位、脚のセンサーで脚の動きなど20個のセンサーを付けて多方面から高い精度で評価します。 

Q8. 減量すれば、SASは治るか?

   SASの原因は、顔面頭蓋骨の形状と言われておりますので、基本的には完治はいたしません。ただ、体重が多い方が痩せるとSASの重症度が軽減する可能性はあります。

Q9. SASは完治するか?

   SASの原因は、顔面頭蓋骨の形状と言われておりますので、基本的には完治はいたしません。ただ、体重が多い方が痩せるとSASの重症度が軽減する可能性はあります。内科的慢性疾患である高血圧や糖尿病は合併症を予防するために薬で治療したり、視力が悪い場合は眼鏡で矯正するように、SASも治すのではなく、自覚症状を改善し、将来起こる可能性が高い合併症を予防するための治療を行います。

Q10. 治療法は選べるか?

    重症度によって治療法は決まっています。1時間に20回以上の無呼吸低呼吸が起こる中等症以上の場合は、CPAP治療(鼻マスクから送り込む空気圧で気道を拡げる対症療法)が基本です。CPAPによりいびき、無呼吸・低呼吸を無くすことができます。軽症の場合は、歯科装具(マウスピース)が適応になります。いびき・無呼吸を軽減させますが、中等・重症では完全に無くすことはできませんので適応になりません。外科的治療は、扁桃やアデノイドなどがとても大きく、CPAPや歯科装具を使用するときに障害になる場合に限り手術を先行させるときもあります。手術単独では効果が持続しません。

Q11. 治療費は?

    主な治療法にCPAPと歯科装具(マウスピース)とがあります。CPAPは、月1回の診察、マスクや機器のメインテナンス費用を全て含めて毎月5,000円(3割負担の場合)位です。歯科装具は、睡眠検査を行った医療機関からの紹介状がある場合、歯科医院にて保険適用になり1万5000円位(3割負担の場合)で作れます。歯科装具を作りなれている歯科医院をご紹介いたします。

Q12. 毎月外来受診は必要か?

    CPAP治療は在宅医療のため、健康保険で診療を続けるためには毎月1回の受診が必要です。もし通院できない場合は、健康保険の適応になりませんのでご注意ください。その場合、健康保険による治療は中止になり機器のご返却が必要です。また、歯科装具(マウスピース)は一度作ったら毎月外来通院する必要はありません。ただ、軽症の方だけに適応であり、加齢や体重増加とともにSASは進行しますので、定期的な外来受診が必要です。

Q13. 海外にCPAPを持っていく必要はあるか?

    原則的には、CPAPを海外にもお持ちいただいたほうがよいと思います。現在では、ほとんどの国でチェックなしで入国できます。ただ、CPAPを持っていくのが大変な場合は、旅行用にマウスピースを作製して持っていかれる方もいます。

Q14. 手術で完治するか?

    完治するための手術はありませんが、手術が有効と考えられる場合は大学病院などの専門医療機関へご紹介します。

Q15. いびきをかくのは。SASか?

    いびき=SASではありません。ただし、いびきは睡眠中に喉の部分が狭くなり、気道壁が震えて発生する音のため、いびきをかく方の多くは、無呼吸・低呼吸を伴っています。したがっていびきをかく方にSAS患者様は多いのです。

Q16. 子供もSAS になるか?

    子供でもSASになります。多くの場合は、扁桃やアデノイドの肥大による器質的な原因で発生します。治療しないと、眠気のために学業に影響が出たり、成長障害などが起こることがありますのでご相談ください。

Q17. 必ず自覚症状はあるか?

    自覚症状は必ずあるというわけではありませんが、多くは昼間の眠気を伴います。その他、起床時の頭痛や口渇、夜間の頻尿、夜間の不整脈、熟睡感が無い、いくら寝ても疲れが取れないなどがあります。しかしご本人よりもご家族からいびきや呼吸が止まっているなどを指摘されたり、会社の上司に居眠りを指摘されて来院される方が多いようです。

Q18. 遺伝するか?

    遺伝病ではありません。ただし、根本的原因は顔面頭蓋骨の形状と考えられていますので、顎が小さい、口腔内が狭いなど、喉の部分が狭くいびきを発生しやすいという顔の特徴のある家系では、顔は代々似るのでいびき・無呼吸も受け継がれます。

Q19. 体にどのような影響があるか?

   SASは昼間の眠気が有名ですが、実は寝ている間にいろいろな病気が作られてしまうことが問題なのです。寝ている間に低酸素血症を繰り返すことにより睡眠中に狭心症発作や不整脈が発生したり、心臓に負担がかかり心不全になったりします。さらに睡眠中、脳波上の覚醒を繰り返すことにより交感神経の緊張状態が続き高血圧症や、自律神経障害からインスリン抵抗性を招き耐糖能障害・高脂血症などを発症させ、この状態が長年毎晩繰り返されることにより動脈硬化から心筋梗塞・脳梗塞などの病気を発症することが知られています。これらは、肥満と関係のあるメタボリックシンドロームの病態と同じなのです。実際、SASの治療を始めることにより、血圧が低下したり、耐糖能障害やコレステロールが改善する傾向にあります。
 

 

診療科目

内科/脂質代謝内科
糖尿病内科/感染症内科
睡眠時無呼吸症候群検査

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